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フ ラ ン ス 語 の 重 要 性   低 下
Quel Malheur!


 EUの行政機関では、伝統的にフランス語が多用されているが、仏語圏以外の加盟国数が増えるに従って、その重要性が薄れている。この傾向は、2004年5月の 東方拡大 によって一段と顕著になった。


 ドイツ語を母語とするEU市民が最も多いことには変わりはないが、拡大前、フランス語を第2言語とするEU市民は19%であったの対し、現在は3%に低下している。



現在のEU市民の母語
順 位 言 語 人口(10万人)
1  ドイツ語 88,1
2  英語  58,0
3  フランス語 55,2
4  イタリア語 43,8


EU市民の第2言語

東方拡大  (%)       
1  英語 41
2  フランス語 19
3  ドイツ語 10
4  スペイン語  7
         東方拡大  (%)
1  ロシア語 23
2  英語 21
3  ドイツ語 17
4  フランス語  3

出展: Der Standard 


 また、フランス語で作成される公式文書は、1986年の56%から、1997年には40%に低下し、現在は30%強に過ぎないとされる。英語を主たる公用語にすることは、行政コストの削減だけではなく、事務処理の迅速化にもつながる。特に、迅速性が求められる特許手続においては、仏語の使用を廃止することも検討されている(参照 @A)。

 2004年11月22日に発足予定の欧州委員会
参照もこの傾向に合致しており、フランス語は、ロシア語、英語、ドイツ語に次ぐ、第4の外国語になっている。この流れを変えるべく、フランス政府は、今年の夏、欧州委員候補のためにフランス語講座を設けたとされるが、仏語離れを変えることはできないと解される。



(参照)

Der Standard v. 22. November 2004 (Europas speaks English. Quel malheur!)
 


(2004年11月22日 記)