リスボン条約の批准をめぐり、オーストリアでは与野党間の対立や政治・市民団体のデモが活性化していたが（参照）、2008年4月9日、国民議会（Nationalrat）は、Gusenbauer 首相が率いる社民党（SPÖ）や国民党（ÖVP）および緑の党の支持により、リスボン条約の批准を了承した。反対票を投じたのは、極右政治家として知られる Haider 氏が結成した未来同盟（BZÖ）と自由党（FPÖ）に属する議員のみであったが、その中には、欧州憲法条約の批准には賛成した議員が含まれていた。また、採決に先立ち、未来同盟と自由党は、国民投票の実施を求めていたが、却下された。

　さらに州の代表で構成される連邦議会（Bundesrat）の批准承認が必要になるが、4月24日に開催される次回会合での採決が予定されている（ New 連邦議会、批准を了承）。なお、Kärten 州の Haider 首相（BZÖ）は、州の党首として議場に立ち、准を反対を訴えるとしている。また、同州では、住民投票を実施する計画を発表しており、連邦大統領による署名がなされるまで、批准反対運動を展開する構えをみせている（参照）。

　 　2008年4月29日、Haider 氏（BZÖ）は、自らが首相を務める Kärten 州において住民投票の実施を断念する意向を明らかにした。実施に必要な住民15,000人の署名はすでに得られていたが、4月28日、連邦大統領が批准書に署名し（参照）、批准手続が終了していることを受けての決定であった（参照）。

オーストリア国会の公式サイト（2008年4月9日）（"Große Mehrheit für den Vertrag von Lissabon"）

Der Standard v. 10. April 2008 ("Statt Staatsakt Sitten wie im Stadion")

Die Presse v. 9. April 2008 ("EU-Vertrag: Maulkörbe und Zwerge im Nationalrat")

Rettet Österreich の公式サイト

オーストリア国会における審議　

オーストリア、国民投票の実施要請、強まる

連邦議会、批准を了承

連邦大統領、批准書に署名