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ハンガリーの国旗 Gyurcsány 首相、欧州統合について語る


 2005年6月の欧州理事会でEUの次期財政計画が成立しなかったことを受け(詳しくは こちら)、ハンガリーの Gyurcsány 首相は、7年ではなく、3ヶ年に限定した暫定計画の導入を提案している(いわゆる「ブタペストの妥協案」)。2005年7月30日付けの Die Welt 紙には、 Gyurcsány 首相のインタビュー記事が掲載されているが(参照)、その概要は以下の通りである。


リストマーク ブタペストの妥協の趣旨は

 現在のEUには、危機の打開に必要な躍動力に欠けている。EU市民はアメリカ合衆国やアジア(中国)の発展に脅威を抱く共に、現在の高い社会水準が維持しえなくなるのではないかと恐れている。これには一種の矛盾が存在する。つまり、現在のEUには、ダイナミックさが必要であることは誰でも認識する一方で、人々は現状維持を求めている。



リストマーク EU内の連帯性について

 加盟国間の連帯はもろくなり、熱狂的に支持されなくなっている。特に、従来の加盟国(ドイツやフランス)は、自国の経済状態に満足しておらず、これが解決されない限り、ポーランドやハンガリーの要求にも応じられないと考える傾向にある。しかし、実際には、新規加盟国の方が多くの経済問題を抱えている。



リストマーク トルコのEU加盟問題について

 トルコとのEU加盟交渉の延期を求める見解が勢力を増しつつあるが(参照)、交渉を開始する前の段階で、加盟の実現を考慮する必要はない。

 交渉は長期化し、トルコのEU加盟が実現するのは15年先のことであるとしても、そのような計画は不適切ではない。15年の間に畑をしっかりと耕し、作物が実れば収穫できるし、できなければ収穫しえないということである。






(参照) Welt  v. 30. Juli 2005 ("Solidarität in Europa ist zerbrechlicher geworden")

 

EU加盟7ヶ国大統領の共同声明


ルクセンブルクの Juncker 首相の見解



(2005年7月31日 記)