当初、EUは、2008年2月のセルビア大統領選を視野にいれ、同年1月28日の協定締結を予定していたが、オランダ、ベルギーおよびドイツの反対によって阻止された。これは、国連の旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所への協力が不十分であるとみなされたためである。状況は依然として変わっていないが、5月11日のセルビア議会選挙で親EU派の与党 Tadic を支援するため、最終的にオランダも協定締結に同意した。2008年2月のコソボ独立をEUが支援して以来(参照)、セルビア内では、EU反対論が強まっている。 なお、安定化・連合協定の発効について、EU側は、セルビアが国際刑事裁判所に十分に協力していると判断された後に初めて批准されるとしている。また、5月の議会選挙でEU加盟推進派が敗れ、セルビア自身が批准を見送れば、同協定は発効しない。同選挙では、EU・セルビア関係の在り方が問われることになり、協定締結に際し、セルビアの Jeremic 外相は、選挙はEU加盟の是非を問う「国民投票」に相当すると述べている(参照)。 |
(参照) | FAZ
v. 30. April 2008 (Unerwünschte
Annäherung Europas) FAZ v. 29. April 2008 (EU stimmt Abkommen mit Serbien zu) |
(2008年 5月 2日 記) |
安定化・連合協定(SAA)の発効には、セルビアだけではなく、オランダを含むすべてのEU加盟国の批准が必要となるため、まだ発効していないが(なお、セルビアは批准済み)、その発効がEU加盟交渉開始の要件とされている。このように条件は整っていないが、セルビアの Jeremic 外相政府は、2009年9月12日、年末までに加盟を申請するとの意向を表明したと報道されている(参照)。 。 |
(2009年 9月 14日 記) |