2004年12月17日、EU理事会は、トルコと加盟交渉を開始すべきかどうか判断する予定であるが(参照)、実際には、開始を決定すること以外に選択肢はないとされている。つまり、交渉の開始が否決されれば、EU・トルコ間の和平関係が著しく悪化し、破滅的な影響が生じると解される(参照)。
そのため、決定はすでに下されているとの見方が有力であるが(参照)、もっとも、未解決のキプロス問題が最後の障害になりうる。1974年にキプロス島北部に侵入して以来、トルコ軍は駐留し続けているが、南キプロス(キプロス共和国)は、約3万5000人の軍隊の撤退と、自国の承認をトルコ政府に要請している。これが受け入れなければ、南キプロスは、12月17日のEU理事会において、拒否権を発動するとしている(参照)。加盟交渉の開始について、EU理事会は全会一致で判断を下すため、南キプロスの反対により、否決される可能性がある。なお、トルコの外交筋は、12月17日までに、トルコが南キプロスを承認することはないとしている。
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