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欧州憲法


「憲法の友」、 発効の重要性を確認

Friend 2007年1月26日、欧州憲法条約の批准手続を完了ないし決定している 18ヶ国 の政府代表は、マドリッドで会合を開き、新条約の重要性を確認した。自称 "Friends of the Constitution" の会議は、欧州憲法の発効に向け、加盟国の強いメッセージを発すると共に、EU理事会議長国ドイツ を支援するため、スペインやルクセンブルクの呼びかけに応じ実現されたが、ホスト国のスペインは、全加盟国の中で先陣を切って2005年2月に国民投票を実施し、憲法条約の批准を決定している(詳しくは こちら)。また、ルクセンブルクも同様に国民投票の結果を踏まえ批准を決めている(詳しくは こちら)。なお、会議には、まだ批准を決定していないアイルランドとポルトガルも参加したとされる(参照)。

 フランスやオランダの国民投票で批准が否決されたことや、イギリスやチェコなど、批准に消極的な加盟国もあるため、同条約発効の目処は全くたっていないが、ホスト国の Miguel Angel Moratinos 外相は、2年半にわたる審議の成果を無駄にするつもりはないと懐疑論を退ける一方、3分の2にあたる18ヶ国が批准に賛成していることを強調している。また、現在のEUの危機には、大胆な、しかし、無茶ではない憲法条約をもって対処すべきであること、また、ミニ憲法」はすぐに現実に即さなくなるとし、一部の規定を切り離し、発効させる案に反対の姿勢を示した(参照)。

 憲法条約の発効に向けた明確なシグナルを発するとする所期の目的は達成されたと解されるが、"Friends of the Constitution" が救世主になりうるかどうかは定かではない。会議には参加しなかったフランスやイギリスの激しい反発を招いただけではなく(参照)、批准に関する加盟国間の態度をより明確にしたとも捉えられる。なお、当初、第2回目の会合は2007年2月、ルクセンブルクで開催される予定であったが、同国は中止を決定している(参照)。





(参照) Der Standard v. 26. Januar 2007 (Ratifikanten-Länder der EU-Verfassung zeigen in Madrid Flagge)

Die Presse v. 26. Januar 2007 ("Verfassung: Neue Spaltung")

Die Presse v. 27. Januar 2007 ("Eine fast unlösbare Aufgabe")

NZZ v. 27. Januar 2007 (Die «EU-Verfassungs-Freunde» sammeln sich)
 


憲法条約の批准

  ・ 批准状況



(2007年 1月 27日 記)