個々の要件については こちら 法務省の行政解釈(昭和51年1月14日民二第280号民事局長通達)は、外国離婚判決の承認についても、前掲の要件が満たされなければならないとしているが、従来より、学説は、第118条(旧第200条)を直接的に適用することについて批判的である。特に、@とCの要件については、以下のように、問題点が指摘されている。
(1) 外国裁判所の管轄権(第118条第1号) 外国離婚判決の承認を容易にし、跛行婚(はこうこん)の発生を防ぐために、外国裁判所の管轄権は広く認めるべきであるとする見解が有力である。つまり、国内法や条約に基づき、国内裁判所に与えられる管轄権(直接的一般管轄権)よりも、外国判決の承認の要件としての管轄権(間接的一般管轄権)は広く捉えるべきであるとされているが、具体的な範囲については見解が定まっていない。例えば、離婚および別居の承認に関するハーグ条約(1970年)は、間接的一般管轄権を広く認めている。もっとも、単なる原告の住所地国の管轄権までは認めていない。 最高裁判決について
(2) 相互の保証について(第118条第4号) 従来より学説は、相互保証の要件の適用に批判的である。この見解は、以下の理由に基づく。
なお、実務では、相互 保証の要件が満たされないことが、判例などによって明確にされていない限り、要件が具備されるものとして処理されている。 相互保証の要件に関する最高裁判決について
(3) 我が国の国際私法が定める準拠法に従っていること 従来の通説は、民訴法第118条所定の要件の他に、我が国の国際私法(適用通則法)に従い決定された準拠法に基づき、離婚判決が下されていること(参照)を承認の要件として捉えてきた。もっとも、近時の通説は、これを不要としており、前掲のハーグ条約も、この要件の具備を必要としていない(第6条第2項第b号)。
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