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EU内の家族構成

伝 統 的 な 家 族 像 の 崩 壊


 国際家族デーにあたる 2006年5月15日、Eurosat は、EU内の家族構成に関する統計を発表した。それによると、2組に1組の夫婦は離婚し、3人に1人の子供は未婚のカップル間で誕生し、3分の2の家族には子供がいないなど、伝統的な家族観が崩壊していることが明らかになった。


結婚指輪 2004年、EU加盟25ヶ国内では、約220
万のカップルが婚姻している。これは、住民1000人あたり、4.8件の割合に当たるが、その値が最も高きいのは、キプロス(7.2件)、デンマーク(7.0)、マルタ(6.0)である。逆に、最も低いのは、スロベニア(3.3件)、ベルギー(4.1件)、ギリシャ(4.2件)となっている。

 他方、離婚は約100万件にも達しており、これは、住民1000人あたり、2.1組の婚姻が破綻していることを意味する。その割合が最も高いのは、チェコとリトアニア(共に3.2件)で、エストニア(3.1件)がこれに続いている。逆に、最も低いのは、アイルランドとイタリア(2003年の統計でそれぞれ0.7件と0.8件)、また、ギリシャ(1.1件)となっている。


こうのとり 2004年の出生数は480万となっている。これは、住民1000人あたり10.5人の子供が誕生していることを意味するが、その値が最も高いのは、アイルランド(15.2人)、フランス(12.7)、デンマーク、ルクセンブルク、イギリス(共に12.0人)である。逆に、最も低いのは、ドイツ(8.6人)、ラトビア(8.8人)、リトアニア(8.9人)である。なお、2004年に誕生した480万人の子供の約3分の1は、未婚の夫婦間で生まれている。その割合が最も高いのは、エストニア(2003年の統計で58%)、スウェーデン(55%)、デンマークとラトビア(共に45%)、フランス(2003年の統計で45%)で、逆に最も低いのは、キプロス(3%)、ギリシャ(5%)、イタリア(15%)となっている。

 2005年の統計では、約67%の家庭には子供がいない。また、子供のいないカップルは24%となっているが、単身生活者がこれを上回っている(29%)。




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(参照) 欧州委員会のプレス・リリース

在独欧州委員会代表部の公式サイト
 

Die Presse v. 14. Mai 2006 (Die klassische Familie scheitert)



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(2006年5月18日 記)