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欧州憲法

オーストリア国旗 オーストリア国民の見解


 国民の 欧州憲法条約 に対する見解を調べるため、オーストリア欧州政策協会 (Österreichische Gesellschaft fur Europapolitik (ÖGfE))は、2005年1月、国内各地でアンケート調査(16歳以上の国民を対象にした1対1の対面式アンケート)を実施したが、2月18日、その結果が発表された(参照)。主な内容は以下の通りである。


質問

EUはすでに共通市場、共通通貨、共通の議会、共通の歌および旗を有しているが、さらに憲法を制定し、市民の権利やEU・加盟国間の権限配分について持続的に規定する必要があると思うか。

2003年3月

2005年1月※※

 はい

44%

46%

 いいえ

37%

35%

 分からない
 無回答

20%

19%


   ※ 回答者 1062人
   ※※ 回答者 1177人


 約半数の回答者は、市民の権利やEU・加盟国間の権限配分について、欧州憲法で持続的に規定する必要があると捉えているが、不要と考えている者は約3分の1、また、分からないとする回答も約5分の1に上る。欧州憲法に関する議論が活性化していることにもかかわらず、この値は、2003年3月より大きく変化していない
参照

 男女比でみると、欧州憲法を必要と考えている者は、男性の方が多い(それぞれ、52%と40%)。不要と答えた男性は32%、女性は38%であった。

 学歴別に見ると、高学歴になるにつれ支持率が高まっている(欧州憲法を必要と捉えている大卒者は62%)。

 また、若年層に比べ、多くの高齢者が欧州憲法を必要と考えている。



リストマーク 欧州憲法の内容について

約90%の回答者が、欧州憲法は人権について定めるべきと考えている。個々の人権別にみれば、両性の平等 が憲法で規定されるべきとするとする見解は73%と他の人権に比べ低かった(平均87%)。

約4分の3の回答者は、環境、消費者、情報の保護に関する規定や、死刑の廃止について明記すべきと考えている。

EUオンブズマンEU外相、また、庇護制度 に関する規定の支持率は、過半数に満たなかった。これらの事項は、加盟国の権限に属するべきと捉えている者が多いと解される。


 

text アンケート調査を実施したオーストリア欧州政策協会の Albert Rohan 副会長は、憲法を20回読んだが、それでもよく分からないとし、EUやオーストリア政府に情報提供の徹底化を要請している。それによって、国民の憲法に対する支持率も上がると解されている。


(参照) Die Presse v. 19. Februar 2005 ("Verfassung kann EU nicht besser erklaren")




(参照) オーストリア欧州政策協会(Österreichische Gesellschaft fur Europapolitik (ÖGfE) の公式サイト

アンケート調査結果に関するプレス・コンファレンス


(2005年2月19日)