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ユスティティア EUの教育・青少年政策




D.   訴 訟 上 の 代 理 人


 訴訟上の代理人(訴訟代理人)とは、当事者本人のために、当事者本人の名において訴訟行為をなし、また、これを受ける者を指す。
 
 訴訟代理人は、@法律に基づき選任される者(法定代理人)と、A当事者より委任され代理人になる者(任意代理人)に分類しうる。詳しくは以下の通りである。


1. 法定代理人

 法定代理人の代理権は法律に基づき発生する。つまり、本人の意思によらず、法律の規定を根拠に代理人が選任されるが、訴訟能力 に欠ける者(訴訟無能力者)の保護を目的としている。


 原則として、法定代理人は、実体法上の法定代理人が務める(民訴第28条参照)。

(例) 

未成年者が当事者であるときは、親権者(民法第818条)、また親権者がいない場合などは、後見人(第838条)が法定代理人となる(こちらも 参照)。


 なお、法定代理人が代理権を行使しえないときや、法定代理人がいないときは、裁判所によって、特別代理人が選任される(民訴第35条)。

 法定代理権の範囲や、その消滅についても、民法やその他の法令による(第28条)。ただし、消滅の効果は相手方に通知するまで生じない(第36条)。

 法定代理権は書面にて証明されなければならない(民事訴訟法規則第15条)。法定代理権に欠ける者が行った訴訟行為は無効であるが、本人や法定代理権を有する者の追認があれば、遡及的に有効となる(民訴第34条第2項)。


2. 任意代理人
(1) 当事者の委任に基づく訴訟代理人

 我が国は弁護士強制主義を採用していないため、当事者本人が訴訟を追行することもできるが(本人訴訟)、法律の専門家を代理人に選任し、訴訟追行を委任することができる。この代理人は弁護士でなければならない(第54条第1項本文)。ただし、簡易裁判所の訴訟事件に関しては、同裁判所の許可を得て、弁護士以外の者を代理人とすることができる(同項但書)。その他、法令により、弁護士でない者の代理が認められている場合がある(同項本文参照)。例えば、無体財産権の専門家である弁理士は、その分野の訴訟で代理人になることができる(弁理士法第6条)。また、司法書士も所定の研修を終了し、認定されると、簡易裁判所において代理人として活動しうる(司法書士法第3条第6号)。

任意訴訟代理人


 訴訟委任による代理権の範囲は法定されており(民訴第55条第1項)、特に弁護士については制限しえない(同第3項)。この包括的な権限に基づき、代理人は、当事者のために訴えを提起し、訴訟を追行するだけではなく、民事執行・保全手続において必要な措置を講ずることができる。なお、当事者本人にとって重大な結果をもたらす以下のような訴訟行為は特別の委任を必要とする(第2項)。つまり、当事者本人から特別に委任されなければ、以下の行為はなしえない。

 

反訴の提起

・ 

訴えの取下げ、和解、請求の認諾・放棄など

・ 

控訴および上告、またはこれらの取り下げなど

・ 

異議の取り下げなど

・ 

代理人の選任



(2) 法令上の訴訟代理人

 商法第21条第1項は、法人の支配人は、商人(つまり、本人)に代わってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有すると定める。このように、法令によって訴訟代理権が与えられている者を法令上の訴訟代理人と呼ぶ。なお、支配人は本人によって選任されるため(第20条)、同人は法定代理人ではなく、任意代理人である。





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