^

練習問題

EU法


 テキストの5~6頁をしっかり読んだ上で、以下の問題に答えてください。

〔問題〕以下の文章には誤りが含まれています。その箇所を指摘し、正してください。なお、誤りは一つとは限りません。 

 EUは条約に基づき設立されていますが、この条約を第1次法と呼びます。

 また、第1次法に基づき、EU(EUの機関)が制定する法を第2次法と呼びます。この第2次法には立法機関が制定する法律と、行政機関が制定する行政行為、そして司法機関が下す判例法が含まれます。つまり、第2次法を発するのは立法機関に限られません。

 一般に、国家は上位法に反しない限り、ありとあらゆる内容の法を制定することができますが、EUはそうではありません。例えば、EUは直接税(所得税や法人税など)や間接税(消費税や付加価値税など)に関する法や、家族(婚姻、離婚や養子縁組など)に関する法を制定することはできません。これは、税金は加盟国の歳入に大きく、また、直接的に関わり、他方、家族法は加盟国の伝統や習慣に大きく関わるためです。つまり、加盟国にとって非常に重要な法は加盟国によって制定されます。例えば、我が国に比べ、ヨーロッパ諸国は非常にリベラルで、同性間の結婚を容認したり、夫婦別姓を認める傾向にありますが、これらは家族法上の問題であるため、EUが決定することはできません。なお、死刑についてもEUは定めることができません。一般に、ヨーロッパでは死刑は人権侵害にあたるとして禁止されていますが、EU法(詳細には、EU基本権憲章)は、加盟国が戦争犯罪に死刑を科すことを認めています。


答えを見る


サイト内全文検索