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星


リストマーク Costa v ENEL 事件 (Case 6/64 [1964] ECR 1251)

 1962年、イタリア政府は、国内の電力会社を国有化し、ENEL を設立した。国有化された電力会社の一つである Edisonvolta の株主であった Costa 氏は、この措置に不服を抱き、ENEL への電気料の支払いを拒んだ。また、国内裁判所に訴えを提起し、国有化措置は、EEC条約第102条、第93条、第53条および第37条に違反すると主張した。これを受け、受訴裁判所は、審理を中断し、前掲規定とイタリア国内法(国有化の根拠法)の整合性について、EC裁判所に先行判断 ( 参照) を求めた。



リストマーク Simmenthal 事件 (Case 106/77 [1978] ECR 629)

 イタリア法人の Simmenthal がフランスより牛肉を輸入したところ、イタリアの行政当局は、国内法に基づき牛肉の衛生検査を実施し、その手数料を請求した。Simmenthal が、これはEC法に違反するとして、国内裁判所に提訴したところ、同裁判所は、EC裁判所に先行判断 ( 参照)を求め たところ、EC裁判所は、牛肉検査と手数料の徴収は、商品移動の自由について定めるEC法に違反するという旨の判断を下した(Case 35/76, Simmenthal I [1976] ECR 1871)。これを受け、Simmenthal は、再度、国内裁判所に提訴し、 納めた手数料の返還を求めたところ、行政当局はこれに異議を述べた。両者間の訴訟において、国内裁判所は、審理を中断し、国内法は国会によってそれが廃止されない限り、または、国内憲法裁判所によって違憲と判断されない限り適用されるが、EC法に違反する場合は、直ちに適用を中止すべきかどうかという問題について先行判断を求めた。