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トルコ系キプロス、新大統領を選出 |
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2005年4月17日、トルコ系キプロス(キプロス・トルコ共和国)は、大統領選挙を実施したが、現首相の Mehmet Ali Talat 氏(53歳)が有効票の過半数を獲得し、新大統領に選出されることが確実になった。同首相は、2004年4月の国民投票の際にも、国連案(連邦国家の形態によるキプロス島の統一)の支持を訴え、成功しており(詳しくは
こちら)、親ヨーロッパ派として知られている。大統領就任後は、キプロス問題の解決に積極的に取り組むと考えられており、EU側も選挙結果を歓迎している(参照)。
なお、これまで22年間にわたり大統領を務め、トルコ系キプロスの独立を訴えてきた Rauf Denktasch 氏(81歳)は、トルコの支持が得られなくなっため、出馬を見送っている。Erdogan
首相の下、EU加盟を国家目標に掲げるトルコ政府は、かつてのように、北キプロスの独立を支援していない。また、住民の多くも、キプロス島の統一を望むようになっており、2004年4月の国民投票以降、Denktasch
大統領の支持基盤の喪失は明白になっている(同大統領は、国連案の否決を訴えてきた)。なお、北キプロスの独立性とトルコへの従属性をめぐり、Denktasch
氏と Talat 氏はかねてより対立していた。
9名の候補者の中から、親ヨーロッパ派の Talat 首相が圧倒的大差で新大統領に選出されたことは、キプロス島の統一とEUへの完全統合を希望する民意の表れであるとして歓迎する向きもある一方(4月18日の欧州委員会の声明)(参照)、このような評価は楽観的過ぎるとして批判する立場もある(参照)。
他方、ギリシャ系キプロスのTassos Papadopoulos 大統領は、選挙結果を大きな進歩として歓迎する一方で、交渉の準備は注意深く進める必要があると述べている(参照)。
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