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EU法講義ノート


以下の全ての問題に答えて下さい。

問題:

以下の会話文を読み、学生B、CおよびDの発言の中から誤りを1つずつ指摘し、正しくはどうなるか説明しなさい。


学生A:

日本政府は北朝鮮に対し経済制裁を発動したけど、ECもそのようなことができるか、以前は争われていたんだよ。現在は、EC条約第301条でECの権限が明瞭に認められていて、EU理事会によって決定されるんだ。つまり、理事会がECの主たる立法機関ということだけど、経済制裁について、EU市民の代表である欧州議会の役割については特に決められていないんだよ。

学生B:

議会の立法権限は政策・案件ごとに異なっているけど、一般的に弱いよね。農業政策の分野では拘束力のない意見しか述べることができない。

学生A:

そうだね。行政府が締結する条約の承認は、議会の重要な権限とも言えるけど、通商条約に関するならば、欧州議会の役割について、EC条約は全く定めていないんだ。つまり、ここでは、農業政策の分野より、欧州議会の権限はさらに弱いということだね。

学生C:

欧州議会の意見に縛られないとしても、EU理事会がそれを聞かずに、法令を制定するとすれば、立法手続違反になるよ。このような場合、議会はEC裁判所に提訴し、法令の有効性を争うことができる。

学生A:

理事会と議会が法廷で争うことも少なくないらしいね。

学生D:

欧州議会は、ECの行政機関とも言える欧州委員会の行動もチェックしているよ。委員会の任命、つまり、委員会を発足させるにあたっても、議会の同意が必要だよ。もっとも、議会は特定の委員候補の承認のみを拒否することはできないけどね。

学生A:

それは、小さい加盟国出身の候補や、政治的に少数派の候補が不当に攻撃されないようにするためだよね。

学生B:

議会の承認が得られれば、欧州委員会はEU理事会によって任命されることになるけど、2つの機関のバランス関係を考えると、おかしいね。

学生C:

そうそう。だから、EC裁判所の裁判官は、EU理事会ではなく、EU加盟国の政府によって任命されるんだ。

学生A:

でも、ここでは欧州議会は関与しえないよね。EU市民が裁判官の任命を審査するといったこともない。それでも、EC裁判所は、いわばECの最高裁判所として、信頼されているけどね。司法機関は市民の権利も守ってくれるから、市民にとっても重要だよ。 

学生D:

例えば、先ほどの経済制裁の件だけど、それによって外国からの輸入が禁止され、仕事ができなくなる貿易会社などは、第1審裁判所に提訴することが認められるよ。

学生A:

経済制裁を決定するのはEU理事会だから、被告はEU理事会ということになるね。

学生B:

理事会は特定多数決で決定するから、制裁に反対する加盟国がいても、多数決が成立することもあるよね。そのような場合、反対した加盟国はEC裁判所に提訴することができるよ。理事会の決定に従わないとすれば、直ちに理事会によって訴えられるから注意しないとね。

学生D:

ある加盟国はEC法に違反しているとEC裁判所が判断したとすれば、加盟国はそれに従わなければいけない。EC裁判所の判決を不服として控訴することもできないよ。もし、判決に従わないとすれば、欧州委員会によって、再び提訴されることになるから大変だね。

学生C

EC裁判所は、加盟国がEC法に従っているかどうか検討し、EC法違反を確認することができるけど、加盟国の違法行為を取り消したり、無効と判断することはできないよ。それに対し、理事会が立法手続に違反して規則を制定するような場合は、規則を無効と宣言することができる。

学生A

つまり、ECの機関であるEC裁判所は、EC内部の法律を無効と判断することはできるけど、外部の法律、つまり、国内法の有効性については審査しえないということだね。

学生C

逆に、加盟国の裁判所はEC法の有効性について判断することができるよ。でも、各国の判決が異なると混乱するから、国内裁判所はEC裁判所に判断を求めなければならないんだ。

学生A

国内裁判所は、この先行判断に従い、判決を下すということだね。





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