| 学生A: |
World Cup
が始まってから、寝不足が続いているんだけど、今回はオランダにも注目しなくちゃね。前回、出られなかった分、頑張ってほしいな。ECの原加盟国であるこの国では、1992年にマーストリヒト条約が締結され、EU発足の法的基盤ができたんだよ。
|
| 学生B: |
そうだね。マーストリヒト条約は1993年11月に発効しているけど、その約4年後の1997年10月には、同じオランダのアムステルダムで、新しい条約が制定されている。これは、将来の東方拡大に備え、機構制度を改革したり、マーストリヒト条約に基づき導入された共通外交・安全保障政策や司法内政分野の協力の改正などを目的としているけど、特に、第3の柱の政策が第1の柱に移されたことが重要だよ。
|
| 学生C: |
東方拡大に備えるため、2000年12月、フランスのニースでも条約が締結されています。その後、さらに欧州憲法条約が制定されていますが、まだ発効していませんので、現在のEU法は、このニース条約を基礎にしています。ちなみに、憲法条約がまだ発効していない理由としては、2005年5〜6月の国民投票で、前出のフランスとオランダが批准を否決したことが挙げられます。
|
| 学生A: |
みんな良く勉強しているんだね。
|
| 学生C: |
EU法は発展が早いため、追いつくのも大変です。
|
| 学生B: |
そうそう、最近では、加盟国で制定される法令の大半はEU法に関連していて、国内議会の立法権限が弱められているとの批判もあるよね。
|
| 学生C: |
確かにそうですが、第2次法の中には、加盟国内で直接適用される規則(regulation)の他に、国内法への置き換えが必要な指令(directive)もあります。その置き換えに際しては、指令の目的や趣旨に違反してはいけませんが、例えば、指令がクーリングオフ期間は7日以上と定める場合、加盟国は、10日とか、2週間とか、独自の判断を下すことができますので、立法権限が完全に奪われることはありません。
|
| 学生A: |
しかし、指令でも、置き換えなしに直接適用される場合があると聞いたよ。そのため、ある加盟国がクーリングオフ期間について国内法を整備しない場合、僕たちは指令を根拠に、契約を解除することができるんだ。
|
| 学生B: |
EC法は、通常の国際法とは異なり、個人にも直接、権利・義務を与えているということだよね。つまり、指令が国内法に置き換えられていないとしても、業者はクーリングオフを認めなければならない。
|
| 学生A: |
そうだとすると、初めから規則(regulation)を制定すればいいんじゃないかな。それなら、国内法への置き換えも不要だし。
|
| 学生B: |
規則にすべきか、指令にすべきかは、予めEC条約内で定められているから、自由に選ぶことはできないんだよ。どちらでもよいような場合は、加盟国の自主性や立法権限に配慮して、指令が制定されることも多いよ。
|
| 学生A: |
確かに、EUに権力が集中し、何もかもEUが決めるのでは、不満もでるだろうね。しかし、指令は、ちゃんと国内法に置き換えられているのかな?
|
| 学生C: |
それは欧州委員会によって審査されるので大丈夫です。また、EC法と国内法が矛盾する場合、国内法は無効となります。そうでなければ、EC法は全加盟国で統一的に適用されないことになりますし、EC法の実効性は失われます。
|
| 学生A: |
欧州委員会のメンバーは、各国より1名ずつ選ばれているけど、各委員は出身国のために行動してはいけないんだよね。出身国であっても、EU法違反を見過ごしてはいけないんだ。
|