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starsEU法講義ノート2005

小テスト  第4回




 以下は、「EU法」のテストに備え、グループ学習をしている学生の会話です(プリント・アウトするときは、こちら)。学生A、B、Cの発言の中から、誤りを見つけ、訂正してください。なお、学生Xの発言の中に誤りはありません。また、解答する際には、以下の点に注意してください。



 ・ 学籍番号の下一桁が 1、2、4 の学生
   (例: 13199991、13299992、1359994)

   学生Aの発言の中から誤りを2つ指摘してください。


 ・ 学籍番号の下一桁が 3、5、7 の学生

   学生Bの発言の中から誤りを2つ指摘してください。


 ・ 学籍番号の下一桁が 6、8、9、0 の学生

   学生Cの発言の中から誤りを2つ指摘してください。



 必要事項をこのページに直接記入し、 ボタンを押して、内容を確認してください。その後、「上記内容で送信」ボタンを押して、回答を送信してください。

 答案の提出期限は、2005年7月20日(水) 22時 です。


New 受付は終了しました。


 なお、答案は、1人、1回しか送信することができません。複数、送信した場合は、最初の答案を有効な答案と
して扱います。送信する前に、解答が正しいかどうか、しっかり確認してください。

注意
 提出者の学籍番号は、こちら で確認できます。提出から24時間以上経過した後も、学籍番号が登録されていない場合は、7月21日(木)4時限終了前までにまでに連絡してください。それ以後の登録は受け付けませんので注意してください。






リストマーク  以下のグループ学習の様子をプリント・アウトする場合は、こちら クリックしてください。


学生X: EU法のテストも近いので、みんなで勉強しようよ。今年は、欧州憲法条約も重要だろうね。確か、7月10日(日曜日)、ルクセンブルクでは、国民投票があったんだよね。結果はどうだったかな?

学生A: 賛成票が反対票を上回り、批准が可決されたらしいです。

学生B: 5月29日、フランスで実施された国民投票では、反対票の方が多く、批准が否決されていたので、個人的に心配していました。

学生C: その3日後には、オランダでも否決されていたから、ほっとしているよ。

学生X: ルクセンブルクとフランスの違いはどこにあったのかな。

学生A: フランスの国民投票には、国内の経済状態が悪いことや、失業率が高いことに対する国民の不満が強く反映されているそうです。新規加盟国から、安い賃金でも働く労働者が移住してくると、雇用情勢はますます悪化するとの不安もあったようです。

学生X: でも、国内の景気や失業率は、憲法条約に関係しないよね。ルクセンブルクの経済成長率は高く、失業率は低いので、フランスのような問題は生じなかったのは、確かも知れないけど。

学生C: そうだね。現在のEUの最大の課題は、経済成長と雇用の創出なんだけど、これは、本来、EUではなく、加盟国が積極的に取り組むべきことなんだ。

学生X: EUには、多くの権限が与えられ、強力になっているけど、できないこともあるということか。

学生B: オランダでは、拡大し続けるEUに飲み込まれるといった不安やトルコのEU加盟に対する反対論が強かったそうですが、オランダよりも小さいルクセンブルクには、EC裁判所やEC会計検査院などが設置されているなど、欧州統合の利益を大きく受けています。

学生X: 小さいルクセンブルクが大きいEUを救ったということかな。
 確か、ドイツでは、欧州憲法条約の批准について、国民投票を実施せず、国会の審議にかけることになっているよね。すでに国会は批准を了承しているようだけど、その後、憲法裁判所に訴えが提起されているので、まだ正式には批准していないとか。この訴えによると、ドイツで新しく適用される法律の約8割は、EC法であるため、国内議会の立法権限は著しく害されているんだって。

学生A: しかし、EC法は、ECの議会(欧州議会)によって制定されるので、民主主義の観点から問題はないと思います。

学生B: また、ECの指令 (directive) は、国内で直ちに適用されるわけではなく、国内法に置き換えられる必要があると習いました。どのように置き換えるか、つまり、どのような国内法を制定するか、国内の議会には裁量権が与えられていますので、国内議会が立法権限を失うことにはならないと思いますが。

学生C: そうだよね。確かに、加盟国はECに権限を委譲しているけれども、問題がデリケートであったり、加盟国の独自性が尊重されるべき分野では、指令が制定されている。この場合には、国内法の制定が必要になるから、加盟国は完全に権限を失っているわけではないよね。

学生B: しかし、国内で直ちに適用される第2次法もあります。例えば、規則 (regulation) は、国内法への置換えが不要です。そのため、規則が多く制定されるようなことがあれば、国内議会の権限は弱体化するのではないでしょうか。

学生A: その他に、規則によって、国民の権利が害されることも問題だと思います。例えば、バナナ市場規則は、中南米からのバナナの輸入を制限しているので、輸入業者の所有権や生存権(企業の存続)を脅かしています。特に、ドイツの企業に大きな影響を及ぼしているそうですが、どうしてそのようなEC法が制定されたのでしょうか。

学生X: この規則は、農業政策の分野の第2次法として、EU理事会によって制定されている。ドイツの代表は、規則の制定に反対したそうだが、理事会は、特定多数決によって決定するので、ドイツの意見は通らなかったと聞いているよ。

学生C: そのため、議決に敗れたドイツは、バナナ市場規則は無効であるとし、EC裁判所に提訴したんだよね。でも、ドイツは、この規則に直接的かつ個人的に関係していないため、訴えは却下された。輸入業者の所有権や職業活動の自由を制限するEC法を野放しにしておいても、EC裁判所は平気なのかな。

学生A: EC裁判所は、個人の権利保護よりも、ECの目的を実現することを重視しているようです。確かに、バナナ市場規則は、ドイツの輸入業者には悪い影響をもたらしていますが、フランスのバナナ農家は保護されることになります。加盟国の状況が大きく異なっていると、すべての者に有利な法律を制定することなどできなくなるので、個人の権利保護にも限界があるのではないでしょうか。

学生X: そうだよね。加盟国の状況がかなり違っていたため、立法作業は難航したようだよ。

学生B: EU理事会が制定すべき法律を制定しないとき、加盟国はEC裁判所に不作為違法確認の訴えを提起することができますが、EC裁判所は、不作為(法律を制定しないこと)を確認するのみで、作為を命じることはできません。

学生X:
バナナ市場規則は、ようやく、1993年2月に制定されているけど、単一欧州議定書の中で、1992年末までに域内市場を完成させるという目標が立てられなかったら、立法作業はもっと遅れたかもしれないと先生が話していたよね。
 しかし、ようやくできた規則が無効と判断されてしまうのでは、理事会もかわいそうだね。だから、EC裁判所は、なかなか無効と判断しないのかな?

学生B: ECは、加盟国の市場を統合し、商品、人、サービス、資本が自由に移動しうる域内市場を創設することを目的としています。この目的が実現されなければならないことも重要だと思います。バナナ市場規則は、バナナ農家がEC内を自由に移動できるようにするため、制定されたそうですが、EC裁判所が規則を無効と宣言すれば、この目的は達成されなくなります。

学生X:
つまり、EC裁判所もECの機関のひとつである以上、ECの目的の実現に貢献すべきだということだよね。

学生C: もちろん、法的にも説明できるよ。つまり、EC裁判所は、所有権や職業活動の自由などの経済的権利は、完全に保障されるものではなく、公益のために制限されうると捉えている。ここでの公益とは、ECの目的を実現すること、つまり、バナナ市場規則を制定し、加盟国の市場を統合することを指している。そのために、所有権や職業活動の自由は制約されうるということなんだ。

学生X: 経済的権利が公益のために制限されうることは、EC法に限ったことではないよね。

学生C: しかし、ECでは、個人の提訴権(裁判所に訴える権利)が制限されているという問題もあるんだよ。例えば、例のバナナ市場規則は、ある特定の輸入業者を名宛人として発せられた法令ではないので、輸入業者が規則の有効性を争い、第1審裁判所に提訴することは認められていない。

学生X: バナナの輸入が制限されたため、同時に、パイナップルの輸入量まで減少してしまった場合でも、訴えを提起することは認められないんだよね。

学生C: その通り! パイナップルの輸入減は、バナナ市場規則に直接関係しないためだよ。しかし、第1審裁判所に提訴できないとしても、国内の裁判所への提訴は認められるので、問題ないのでは。つまり、所有権や生存権は、国内憲法でも保障されているから、国内裁判所に提訴すれば保護されると思うよ。国内憲法で保護されている権利を侵害するEC法は、当然、無効だ。

学生A: 確かに、EC裁判所に頼りすぎるのも問題だと思います。EC裁判所は、ECが6ヶ国体制のときから設立されていますが、現在、加盟国の数は、4倍以上に膨れ上がっており、訴えも非常に増えています。しかし、個々の加盟国の裁判所が独自の判断を下してもよいとなると、EC法の解釈はバラバラになってしまうので、EC裁判所に頼らざるを得ないのも現実です。

学生X: そうそう、EC裁判所は多数の事件を抱えているため、訴訟遅延という問題が生じているようだけど、裁判に時間がかかるのは、どこも一緒かな?

学生B: この問題を解決するために、EC裁判所には法務官が配属され、また、第1審裁判所が設置されています。ちなみに、EC裁判所は、法務官の意見に拘束されません。また、第1審裁判所の判断に不服がある場合は、EC裁判所に控訴することができます。控訴されると、かえって訴訟手続はかえって長期化するといった欠点もありますが・・・

学生A: EC裁判所の裁判官は、各国より一人ずつ任命されていますが、今後、加盟国の数が増えていっても、「一国から一人」という原則は変わらないそうです。この点では、欧州委員会も同じですが、EC裁判所の裁判官は加盟国の相互承認で任命されるのに対し、欧州委員会のメンバーは、EU理事会によって任命されます。

学生X: EU理事会によって任命されるので、欧州委員会とEU理事会の均衡が崩れると批判されているんだよね。
 そろそろバスが出るから帰ろうか。これでテスト準備も万全だと思うよ。なんか、テストが楽しみだね。




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