トルコ政府は、オスマン・トルコによる アルメニア人大量虐殺 を否認しているが、当事国のアルメニアを初めとする多くの国では、大量殺戮の存在を公式に認めている。国内に多数のアルメニア系住民が住むフランスも(Die Presse 紙によると、45万人)、かねてよりトルコの責任を追及しているが(参照)、大量殺害を否認した者に刑罰を科す法案がフランス国会に提出され、2006年10月12日、審議される予定である。これに対し、トルコの Erdogan 首相 は、自国とアルメニアの問題にフランスは介入すべきではないと批判している。また、トルコ政府は、法案が可決され、刑罰が導入される場合には、経済制裁も辞さないとして、フランスを威嚇している(参照)。
フランス下院、刑罰導入法案を可決
前述したとおり、トルコ政府は約90年前のアルメニア人大量殺戮を認めておらず、EU加盟国との溝を浮き彫りにしている(2001年、フランスは大量虐殺の存在を公式に確認している〔参照〕)。そればかりか、2005年の刑事法改正(参照) によって、トルコでは、大量殺戮という表現を用いた者に対する処罰も可能になり(参照)、EUから厳しく批判されているが(参照)、数年前まで、トルコのEU加盟を積極的に支持したフランスは、現在、EU加盟25ヶ国の中でも最も懐疑的になっており、両国間の関係が注目される。
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