^

練習問題

欧州統合


〔問題〕EU統合に関する記述として、誤っているもの以下の文章より一つ選びなさい。

 テキストの21~31頁を読み、検討すること。

① 当初、イギリスは3つの欧州共同体への加盟を断ったが、1960年代なると加盟を申請するようになった。しかし、当時、フランスの大統領であったドゴールに、イギリスはヨーロッパ諸国よりも、英連邦諸国とのつながりを重視しているとし、2度にわたり、申請を却下された。イギリスの加盟が実現したのは、ドゴール退陣後の1973年1月である。なお、それに際し、イギリスはEFTAを脱退した。

② EU統合はヨーロッパにおける平和の確立、戦後の経済復興や人の移動の自由化だけではなく、ヨーロッパ諸国の発言力の強化を目的としている。

③ 1989年に冷戦が終結すると、ソ連の支配下に置かれていた旧東側諸国(社会主義国)はEU加盟を目指すようになったが、これはまず2004年5月に実現した。

④ 旧東側諸国のEU加盟に際し、EUはこれらの国の経済発展だけではなく、民主化や人権保護の強化も支援したが、これは、ギリシア、スペイン、ポルトガルといった西側諸国に対しても同じであった。

⑤ 1952年7月に設立された欧州石炭・鉄鋼共同体は、存続期間が50年と定められていたため、2002年7月に消滅し、EC(単数形のEC)に引き継がれることになった。

⑥ EUは1993年11月、マーストリヒト条約に基づき設けられた。当時のEUは、いわゆる「3本柱構造」を採用していたが、1999年5月に発効したアムステルダム条約により「3本目の柱」は廃止され、「1本目の柱」に移された。

⑦ 現在のEUは、2009年12月に発効したリスボン条約に基づいているが、「3本目の柱」は完全に廃止されている。なお、従来の「1本目の柱」の内、欧州石炭・鉄鋼共同体は、すでに2002年7月に消滅していたが、リスボン条約によってECも廃止され、EUに承継されることになった。他方、欧州原子力共同体はまだ存続している。

⑧ 「第2の柱」の政策である共通外交・安全保障政策の分野で、EUは法を制定することができない。つまり、この政策分野における基本的な権限は加盟国の下に残されている。


答えを見る

サイト内全文検索