2007〜2013年のEU予算計画 |
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次期欧州委員会委員長に内定している Barroso 氏の発言を受け、ドイツ政府内では、EU予算規模に関する議論が再燃している(参照)。財政問題を管轄する Schreyer 欧州委員は、次々と新しいEUの政策
や目標が導入されているが、それらを実現するためには、予算規模を縮小するわけにはいかないと述べ、Barros 氏の立場を支持した
(参照)。また、ドイツの拠出額も7年ぶりに上昇する見通しを示した。
同国のEU財政負担は、1990年代半ばより、著しく軽減されており、2002年(約50億ユーロ)には、90年代の約半分にまで減少した。しかし、EU拡大は修正を余儀なくしており、ドイツの実質負担額(拠出額より還元額を差し引いた値)は増えるであろうと
Schreyer 委員は述べている。なお、その一方で、スペインや新加盟国の実質負担額は減少する見通しを示している。
ドイツのEU財政負担について、同国は、現在の220億ユーロから350億ユーロに増えると
推測しているが、Schreyer
欧州委員は、このような予測は欧州委員会の提案に合致していないとしている。また、イギリス優遇策
(参照) の見直しは、ドイツに有利に働くことを指摘している。
なお、欧州委員会はEU予算の拡大(歳出の増加)を歓迎しているとする批判
もあるが、Schreyer
委員は、従来の計画の範囲内に収まっていると反論している。また、予算編成に際しては、従来の加盟国と新規加盟国の間でよりも、従来の加盟国間において大きな対立が見られることを指摘している。
Schreyer 欧州委員はドイツ出身であるが、欧州委員として中立性が求めらている。なお、同委員の任期は、2004年10月末までである。後任は、Grybauskaite
女史(リトアニア)が務める予定である。
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Schreyer
欧州委員
(ドイツ)
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