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歴代米国大統領のドイツ訪問

 第2次世界大戦後、歴代のアメリカ合衆国大統領(11人)は、その任期中、少なくとも1回はドイツを訪れている。特に、冷戦期における John F. Kennedy 大統領の訪独は重要である。旧ソ連によってベルリンの壁が築かれた約2年後の1963年6月26日、第35代大統領は、約40万のベルリン市民を前に演説を行い、「私はベルリン市民である」とする名言でそれを締めくくっている。これが名ゼリフたるゆえんは、大統領が英語ではなく、ドイツ語で話した点にあるが、"Ich bin ein Berliner" (イッヒ ビン アイン ベルリーナ) を発音するため、大統領は、"Ish bin ein Bearliener" とメモ書きしていたという逸話も残っている。

 Kennedy 大統領は、ベルリンの壁は共産主義が機能しないことの象徴であるとし批判しているが、1987年には、Ronald Regan 大統領がベルリンの壁を前に演説し、「Mr. Gorbatschow、(ブランデンブルク)門を開けよ、Mr. Gorbatschow、壁を崩壊せよ」と訴えている。
この演説はテレビで中継され、世界中に配信された。

 Regan 大統領は、就任中、3度もドイツを訪れているが、それを上回るのは、Clinton 大統領のみである(5回)。ベルリンの壁崩壊(1989年)後の1994年7月、第42代大統領は、合衆国大統領としては初めて旧東ベルリン地区に渡っている。また、Kennedy 大統領の例に倣い、"Amerika steht an Ihrer Seite, jetzt und für immer" (アメリカはあなた側と共にある、現在も、そしてこれからも)とドイツ語で語っている。

 現職の Bush 大統領は、2005年2月、3度目の訪独を実現しているが(参照)、初回にあたる2002年5月には、ベルリンの連邦議会で演説し、テロに対する戦争のため、アメリカとヨーロッパはお互いを必要としていると述べている。




(参照) Der Stern v. 23. Februar 2005 ("Auftritte, die Geschichte machten")

Berliner Morgenpost v. 21. Mail 2002 ("Fünf US-Präsidenten haben bereits vor Bush Berlin besucht")

ブッシュ大統領のヨーロッパ訪問


(2005年2月28日 記)