プラスチック製品が分解され、土に還るには非常に長い年数を要します。そのため、適切に処理されずに海に流されたプラスチックゴミは海洋汚染を引き起こしています。このような状況に対処するため、EUは指令を制定しました。これによってEU内では2021年7月より以下のプラスチック製品を製造・販売することが禁止されています(
参照)。
・使い捨て食器
・ストロー
・ハンバーガーなどの容器
・飲み物用のカップ
・スティック
2023年1月、EUに加盟しているフランスやドイツでは国内法に基づき、より徹底した措置が導入されることになりました。
【フランス】ファーストフード店での使い捨て容器の使用禁止
2023年1月1日よりフランスのファーストフード店内では使い捨て容器の使用が禁止されています。具体的には、コップ、皿、スプーン、フォークは使い捨てが禁止され、洗って再利用しなければならなくなりました。なお、環境に優しい紙製の容器であれ、使い捨てであれば使用が禁止されます。そのため、フライドポテトを入れる容器は紙製からプラスチック製に変わりました。
フライドポテトの容器は環境に優しい紙から
プラスチックに(再利用が必要なため)
ただし、ハンバーガーを包む「紙」に関しては使い捨てが認められます。
また、テイクアウトする商品には、従来通り、使い捨ての容器を使用することが認められます。
これらの措置はフランスの国内法に基づいており、違反すると最高1万5000ユーロの罰金が科されます。罰せられないようにするため、フランスのファーストフード店は食器を洗って使える食器を導入していますが、そのほとんどはプラスチック製で、レストランで使用される食器と比較すると、環境保護や耐久性に劣ると指摘されています。
【ドイツ】再利用可能な容器の使用が可能
前述したように、フランスでは現在でもテイクアウトする商品に使い捨ての容器を使用することができますが、2023年1月1日より、ドイツでは、客が希望する場合には再利用可能な容器に入れ、料理やドリンクを提供することが業者に義務づけられることになりました(
参照①、
②)。例えば、ただし、店舗の面積が80平方メートル以下であり、従業員が5人以下の場合は除きます。また、宅配用のピザも除きます(使い捨ての紙製の箱を使用することができます)。
なお、使用後、客はパッケージをレストランやカフェに返却することになりますが、それを洗って再利用することは業者にとって負担が大きい作業です。人件費や設備費は余分にかかりますが、代金を余分に請求することは禁止されています。つまり、使い捨て容器の場合と再利用可能な容器の場合とで値段を変えることは認められていません。
ドイツ国内のファーストフード店の対応は同一ではありません。例えば、マクドナルドは独自のドリンク用カップを用意しています。それの利用を希望する客は2ユーロ余分に支払いますが、マクドナルドの店舗にカップを返却すると、2ユーロ返してもらえます。
これに対し、バーガーキングは他の業者とカップを共用しています。そのため、バーガーキングの店舗以外でも返却することができます。
NDR, Markt "Essen zum Mitnehmen: Verkaufsstellen müssen Mehrweg-Geschirr
anbieten"