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大学1年生からの就職対策

 
 入学と同時に卒業(4年後の進路)を意識しながら大学生活を送るのは窮屈であるし、1年次より就職対策に取り組むとすれば、無味乾燥な日々を過ごすことになり、大学生活を満喫できないおそれがある。また、大学は凡庸な人材しか輩出できない危険性がある。自然環境に恵まれた壮観なキャンパスで浩然の気を養うことも重要である。もっとも、遊んでばかりで良いわけでもない。そのため、多くの専門家は初年度からの就職対策を推奨するし、文科省もそれを支持している。

 ここで言う就職対策はとは何であろうか。前述したように、それが良き社会人になるために必要な資質・能力や「社会人基礎力」を培うことであるとすれば、大学生活を楽しむことと両立する。また、諸大学で講義やセミナーを担当している「就職指導の達人」は、①しっかり目標を持ち、その実現に向けて努力すること、②毎日、新聞を読み、時事問題に強くなること、③インターンシップに参加すること、④大学では文字通り「大きく学び」、成績を良くすること、⑤先輩の就職活動をよく観察しておくことなどを就職に役立つ重要な要素として挙げている。いずれも、リクルート活動が始まる3・4年次に始めて到底、間に合うものではない。特に成績を良くすること、詳細には、BやCを並べるのではなく、SやAを揃え、成績優良で卒業することは1年次から取り組まないと実現できない 。

 本学の成績評価は、最も良いものから順に、S、A、B、C、Dとなる。なお、Dは不合格である。その他に、試験を受けなかったため、成績の評価ができない場合は、Rの判定が付けられる。


 確かに、人は往々にして天邪鬼で、「成績が良いと就職に有利か」と問われれば、「関係ない」と答えるコンサルタントや採用担当者もいる。しかし、良いにこしたことはないというのが定説である。また、良い成績は努力の結晶でもあるため、努力しているかどうか(上掲の①)の判断基準にもなる。

 部活動や、サークル、ボランティア、福祉活動に参加すれば、思い出や友人だけではなく、アピールポイントが増える。ただし、漫然と行うのではなく、目標と計画を立てて取り組むことが重要である。仮に、成就せず、挫折感を味わうことになっても、自己嫌悪を覚えたり、自暴自棄に陥ることなく、原因を冷静に分析し、またチャレンジすれば良い。つまり、PDCA(plan-do-check-act cycle)は企業にも評価される。



 PDCAに関するサイト

 アルバイトも社会勉強の一つになる。特に、接客を伴うアルバイトをすれば、現代若者の弱点とされるコミュニケーション能力を養うことができる。ただし、小遣い稼ぎが唯一の目的であれば、高く評価されない。やはり、上掲のPDCAが重要である。




〔問題〕

1. 次の文は上掲の文章の趣旨に合致するかどうか検討しなさい。

 ① 1年生から実行すべき就職対策とは職業に必要な技能を習得することである。

 ② 大学の成績は就職に関係しない。

 ③ 目標を立てて努力しても、成功しない学生は、就職に際し、評価されない。

2. 大学1年次より就職対策を行うべき理由を説明しなさい。

3. PDCAとは何か説明しなさい。

4.どの程度、英語ができるか調べれば、その人の学力や勉強に対する態度・姿勢を知ることができるという立場がある。なぜそのように言われるか考えなさい。

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