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◎ 民法の体系


 我が国の民法は「総則」「物権」「債権」「親族」「相続」という五つの編からなる。

民法の構造

 この構成はドイツ民法(BGB)をモデルにしているが、以下の点で異なる。
  • 我が国の民法では、第2編は物権、第3編は債権であるが、ドイツ民法では逆である。
  • 我が国の民法は「債権」と、他方、ドイツ民法は「債務関係」(Schuldverhältnisse)という表題を付けている。

    代金を請求できるという言い方と、支払わなければならないという言い方では、どちらの方が分かりやすいか、また、どちらの方が正しいか。

 なお、例えば、消費者保護といった新しい法律関係について、我が国は特別法を制定し、詳細に定めているのに対し、ドイツは民法典の中に盛り込んでいる。

 例えば、厳密には消費者保護でないが、包括旅行契約の利用者(パックツアーを申し込んだ者)を保護するため、ドイツは、特別法を制定せず、民法第651a条以下で定めている。なお、EU法に基づき、第651a条以下は改廃され、第651a条~第651y条という、非常に多くの規定が設けられた(こちらを参照)。
 
 

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