法的問題

　Barroso 新欧州委員会の就任が先送りされたため（その背景については こちら）、現在、Prodi 欧州委員会が任務を継続しているが、この状態はEU法に違反する。現行EC条約によれば、2004年11月1日より、欧州委員会には各国より1名のメンバーが属することになるため、総計25名で構成されなければならないが（詳しくは こちら）、Prodi 欧州委員会のメンバーは30名である。この違法状態を考慮し、現在、欧州委員会は、必要最小限の任務しか遂行していないとされる（参照）。

新欧州委員（候補）の待遇

　Barroso 新委員長候補（内定）は、11月1日に欧州委員に就任する予定であった者のために特例を設けた。それによれば、現在、定職に就いていない者は、アドバイザーとして、月額6000ユーロの給与（税込み）を得られることになる。オーストリア出身の Ferrero-Waldner 委員（候補）は、この特例にサインしており、現在、ウィーンの欧州委員会代表部に滞在し、新任務の準備をしているとされる。通常の給与（1万8000ユーロと住居費）が得られるのは、早くて12月以降になる予定である（参照）。

欧州議会による諮問・承認

　2004年11月4・5日の欧州理事会で、新メンバーは了承されたが、担当部署が変更された Kovács 氏 （ハンガリー）、また、新しく選出された Frattini 氏（イタリア）と Piebalgs 氏（ラトビア）は、欧州議会の審問を受けることになる。その後、委員会全体は、議会の信任投票にかけられる。投票は、11月18日に予定されているが、議会の承認が得られれば、その翌日にも新委員会は発足する。現在、新メンバーの承認に異議を唱えているのは、環境保護政党会派のみであるとされるが、同党派は、Kroes 委員候補（オランダ）の交代を要求している（参照）。