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Barroso 新欧州委員会  就任前に退陣


 2004年10月27日、欧州議会は、 Barroso 新欧州委員会の信任を問う予定であったが、投票に先立ち、Barroso 新委員長(内定)は、EU機構制度や欧州統合によい結果が得られるとは考えられないとし、信任投票の見送りを要請した。この発言の後、欧州議会総会では、大きな喝采がおきたとされ、大半の欧州議員より支持されている。


 2004年9月後半から10月始めに実施された聴聞手続において、欧州議会は Buttiglione 委員候補(司法・内務問題担当予定)の発言や、Kovács 委員候補(エネルギー政策・原子力安全政策)、Kroes 委員候補候補(競争政策)の前歴等を批判していたが
(詳しくは こちら、Barroso 委員長(内定)は人事の大幅見直しを行わず、承認手続を楽観視していた。しかし、議会の自由党派も承認を拒むとの見方が明らかになると、Barroso 氏は再考を決定した。信任投票の直前に人事の見直しが発表され、投票は見送られることになったため、議会が直接審判を下したことにはならないが、その批判を受けての退陣であったため、メディアは欧州民主主義制度の勝利を報じている。


 当初、Barroso 新委員会は、11月1日に発足する予定であったが、その実現は不可能になったため、Prodi 委員会が任務を継続することになっている。委員会メンバーの選任権(実質的権限)は加盟国に与えられており、10月28日(議会による信任投票の実施が見送られた翌日)には、政府間協議が開始されるとみられているが、ドイツの Schröder 首相は、早急に対処し、実行力のある委員会を発足させなければならないとしている。また、委員会と議会の対立の深刻化を警戒している参照




(参照) FAZ v. 27. Oktober 2004 (Geplatzter Traum vom glatten Start)


(2004年10月28日 記)