さらに、欧州理事会は、EEC条約締結50周年 を記念し、2007年3月25日、ベルリンにおいて、政治宣言を採択することを求めている(para. 48)。その中で、ヨーロッパの価値観や将来の目標が示されることになろうが、これは、欧州委員会の
Barroso 委員長の発案に基づくものと解される(参照)。
EU拡大
欧州理事会は、EU拡大が新規加盟国だけではなく、EU自身にも与える意義を確認した上で、第5次拡大が予定通り、2007年元旦に実現されうるよう、ブルガリアとルーマニアに対し、より精力的な制度改革を要請している。また、欧州委員会に対して、遅くとも2006年10月初頭までに、両国の加盟に関する報告書を提出するよう求めている(paras.
51-52)。なお、2006年5月の報告書で、委員会は結論を保留している(参照)。
また、トルコとクロアチアとの間で、スクリーン作業が進展し(参照)、詳細な協議が開始されたこと(参照)を歓迎する一方で(paras.
54-55)、トルコが関税同盟の拡大より生じる義務を適切に履行していないことに懸念を示し、2006年内に状況を改善するよう要請している。さらに、コペンハーゲン基準の充足や近隣国との友好関係の構築に向け、より徹底した取り組みをトルコ政府に求めている(para. 54)。
なお、2006年12月、欧州理事会は、EU拡大の影響(EUの政策、財政、統治機構に及ぼす影響)、EUの受け入れ能力、また、拡大プロセスの改善など、拡大に関するあらゆる問題について検討することになった( 2006年12月の欧州理事会)。それに先立ち、欧州委員会には、EUの受け入れ能力などについて、報告書を提出することが求められている(para. 53)。
|