欧州憲法条約の批准
2005年6月の欧州理事会決定を受け、再検討期間が設けられているが(Plan
D)、2006年6月、欧州理事会は再び欧州憲法条約の批准について協議することになっている。この困難な課題について、Plassnik外相は、特効薬はないが、半年後には議論を再開することができるであろうと述べている。また、加盟国間の調整を密に行い、上辺だけの飾り立てに警鐘を鳴らしている。
EU拡大
ルーマニア
のEU加盟(2007年)はすでに決定されているが、2008年に延期すべきかどうか検討される。他方、トルコとクロアチアとの加盟交渉は、オーストリアの理事会議長国期間中に本格的に開始される可能性がある(参照①、②)。
2005年12月の欧州理事会では、フランスやオランダの消極的見解を押さえ、マケドニアにも加盟候補国としての地位が与えられることになったが(参照)、2006年6月の欧州理事会では、交渉過程について審議される(参照)。
サービス市場の自由化
2005年3月の欧州理事会で紛糾したサービス市場の自由化については(参照)、加盟国間の対立が依然として大きいため、再協議は2006年下半期に持ち越される(参照)。
EU・ラテンアメリカ会議、ブッシュ大統領のオーストリア訪問
2006年上半期、ブリュッセルないしオーストリア国内では、約2000回にも及ぶEU関連の会議が予定されているが、その中でも、EU・ラテンアメリカ会議(5月)や、ブッシュ大統領の訪欧(日程は未確定)が注目されている(参照)。なお、モーツァルトの生誕250周年を記念し、 生誕地ザルツブルクで開催される行事 'The Sound of Europe'(1月27~29日)には、ピアニストでもあるライス国務長官(米国)の出席が検討されている(参照
〔New
後に、ライス国務長官の参加は見送られた〕)。'The Sound of Europe'
は単なる音楽祭ではなく、ヨーロッパのアイデンティティについて協議するためのコンファレンスを兼ねており、加盟各国の首脳だけではなく、欧州委員会の
Barroso 委員長や Wallström
副委員長、欧州議会の Borrell 議長、また、EU理事会の
Solana 事務総長(共通外交・安全保障政策の上級代表)の出席が予定されている(参照)。
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