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オーストリア 2006年上半期 EU理事会議長国

オーストリア
EUの旗
 

議長国期間中の主要計画

 現在、EU理事会議長国は、半年ごとに加盟国が交代して務めているが(参照)、2006年上半期はオーストリアが、また、下半期はフィンランドがEUの議事運営を統率することになる。任期の開始に先立ち、オーストリアの Plassnik 外相(写真左下)は、12月19日、ブリュッセルにおいて、2006年オーストリア・フィンランドの議長国期間中の計画を発表した。



オーストリアのPlassnik外相

Plassnik外相

© European Community,
2005

 Plassnik 外相は、フランスとオランダの国民投票後、欧州憲法条約の批准が滞っていることや(参照)、2005年6月の欧州理事会が決裂したこと(参照)などを指摘した上で、2005年を「不毛の年」と形容しているが、自国の理事会議長国期間中には、「より多くの信頼と明確性と躍動」が生み出されるよう希望している。また、現在の 危機的状況 を克服するため、オーストリアに対する期待は小さくないが、自国は「魔術師」ではないとし、事態の改善には全加盟国の協力が必要であることを強調した(参照)。さらに、個々の主要テーマについては、以下のように述べている。


リストマーク 欧州憲法条約の批准

 2005年6月の欧州理事会決定を受け、再検討期間が設けられているが(Plan D)、2006年6月、欧州理事会は再び欧州憲法条約の批准について協議することになっている。この困難な課題について、Plassnik外相は、特効薬はないが、半年後には議論を再開することができるであろうと述べている。また、加盟国間の調整を密に行い、上辺だけの飾り立てに警鐘を鳴らしている。



リストマーク EU拡大

 ルーマニア のEU加盟(2007年)はすでに決定されているが、2008年に延期すべきかどうか検討される。他方、トルコとクロアチアとの加盟交渉は、オーストリアの理事会議長国期間中に本格的に開始される可能性がある(参照)。

 2005年12月の欧州理事会では、フランスやオランダの消極的見解を押さえ、マケドニアにも加盟候補国としての地位が与えられることになったが(参照)、2006年6月の欧州理事会では、交渉過程について審議される(参照)。



リストマーク サービス市場の自由化

 2005年3月の欧州理事会で紛糾したサービス市場の自由化については(参照)、加盟国間の対立が依然として大きいため、再協議は2006年下半期に持ち越される(参照)。



リストマーク
EU・ラテンアメリカ会議、ブッシュ大統領のオーストリア訪問

 2006年上半期、ブリュッセルないしオーストリア国内では、約2000回にも及ぶEU関連の会議が予定されているが、その中でも、EU・ラテンアメリカ会議(5月)や、ブッシュ大統領の訪欧(日程は未確定)が注目されている(参照)。なお、モーツァルトの生誕250周年を記念し、 生誕地ザルツブルクで開催される行事 'The Sound of Europe'(1月27~29日)には、ピアニストでもあるライス国務長官(米国)の出席が検討されている(参照New 後に、ライス国務長官の参加は見送られた〕)。'The Sound of Europe' は単なる音楽祭ではなく、ヨーロッパのアイデンティティについて協議するためのコンファレンスを兼ねており、加盟各国の首脳だけではなく、欧州委員会の Barroso 委員長や Wallström 副委員長、欧州議会の Borrell 議長、また、EU理事会の Solana 事務総長(共通外交・安全保障政策の上級代表)の出席が予定されている(参照)。

 



(参照)

Die Presse v. 20. Dezember 2005 (EU-Vorsitz:
"Keine Zauberkünstler"
)



EUの将来

2006年上半期の主要課題


オーストリアとEU


'The Sound of Europe'



オーストリア国旗 オーストリア理事会議長国の公式サイト

(2005年12月28日 記