2007年2月25日、ロサンゼルスで、第79回アカデミー賞（The 79th Academy Awards）授賞式が開催され、ドイツ映画の "Das Leben der Anderen" （「善き人のためのソナタ」）が外国語映画賞を受賞した。同作品は、EUの MEDIAプログラムより、50万ユーロを超える助成を受けており、欧州委員会の Viviane Reding 委員（メディア政策担当）は、EU作品の受賞とともに、プログラムの成果を称えている（参照）。受賞作は旧東ドイツ時代の国家体制や市民生活を扱っており、ヨーロッパの歴史を世界中に知らしめる点でも、EUにとっては非常に有意義であるといえる。

　職業訓練政策 や産業政策の一環として（EC条約第150条第4項および第157条第3項参照）、EUは、加盟国内で制作された映画やDVDの外国での販売・流布を財政的に支援している。それでもなお、ハリウッドの大作に比ると財政規模は劣るが、中小のプロダクションには貴重な資金源となり、制作国以外で上映・販売される作品の9割は、このプログラムの支援を受けているとされる。プログラムの法的根拠は、EU理事会と欧州議会が共同で制定した規則（regulation）にあるが、2007〜2013年度（MEDIA 2007）の予算規模は7億5500万ユーロである。