2008年5月23日、ドイツ連邦参議院(Budesrat)はリスボン条約の批准を了承した。同院は、16の連邦州の代表で構成されているが、棄権したベルリンを除き、すべての連邦州が批准を承認したため、3分の2の賛成という要件は容易に満たされた。なお、ベルリンが棄権したのは、同州で
SPD と連立政権を組む Links Partei が批准に反対したためである(参照)。Links Partei は、元SPD党首の Lafotaine 氏が率いる左派政党で、旧東ドイツの共産党の流れを汲むが、リスボン条約をネオ・リベラルかつ軍事的と批判している(参照)。
連邦議会(Bundestag)は、すでに批准を承認しているため(詳しくは こちら)、これで国会の手続は終了したが、正式な批准には、さらに連邦大統領の署名が必要になる。なお、批准の是非について、国内で大きな議論は行われていないが、連邦参議院の決定を受け、バイエルン州出身の
Peter Gauweiler 連邦議会議員(SPD)は、ドイツ連邦憲法裁判所に提訴している(参照)。そのため、連邦大統領は、司法判断をまって批准書に署名するものと解される。なお、Gauweiler 議員は、欧州憲法条約の批准に際しても訴えを提起している(詳しくは
こちら)。
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