子供の誘拐や性的虐待に関するニュースは、EU内でも頻繁に耳にするが、このような事件から子供を守るため、European Federation
for Missing and Sexually Exploited Children (PDF File)が設立されている。2001年5月、欧州議会の会議場(ブリュッセル)で正式に発足したこの組織は、欧州各国のNGOのネットワークにあたるが、5月25日を
International Missing Children's Day と定めている。2005年より、欧州委員会もこれに協力しているが、その前日にあたる2006年5月24日、委員会は、EU加盟国内で行方不明となっている子供の数を発表した。それによると、子供の失踪は、誘拐(離婚した一方の親による誘拐を含む)、家出、負傷など、さまざまな理由に基づくと解されるが、何らかの理由で行方が分からなくなった子供は、年間に7万人にも達する。なお、EU独自の調査は行っておらず、統計は加盟国当局が集計したデータを基にしているが、特に、イタリアでは1850人、また、ベルギーでは1022人の失踪が警察に報告されている(2005年)。イギリスの警察には、子供の誘拐に関するケースが846件報告されている(2002〜2003年)
従来、EUは、子供や若者を暴力や性的虐待から守るため、多くのプログラムを実施してきたが(Daphne II)、これを強化するため、2006年6月、欧州委員会は新たな提案を行う予定である。また、失踪および性的虐待を受けた子供のためのホットライン(116番)の開設が検討されている。
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