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キプロス問題をめぐる関係当事国の交渉再開


 早期のEU加盟実現へ向け、トルコは歩み寄りを見せ初めているが、国連の Annan 事務総長は、2004年1月28日、欧州委員会を訪問した際、トルコ(とその支配下にあるトルコ・キプロス共和国)とキプロスが交渉を再開し、事態が急速に終結する可能性があることを明らかにした。また、今年5月1日には、キプロス全島がEUに加盟することを可能にするため、交渉は3月末までに終了させ、翌月には、両国で国民投票を実施する必要があると語っている。これを受け、Prodi 欧州委員長は、国連主導による調停を技術的・経済的に支援する旨を表明している。


Annan国連事務総長とProdi欧州委員長

Annan 国連事務総長と
Prodi 欧州委員長

2004年1月28日

写真提供:欧州委員会


(参考)

EU-Nachrichten, 2004, Nr. 4  pdf.file
(在独欧州委員会代表部)


  


 国連による調停は、2004年2月11日、ニューヨークにおいて開始された。来たる6週間、関係当事国は、過去30年間、解決されなかった問題について話し合うことになるが、ギリシャやキプロス共和国では悲観的な見解が支配的である。その背景には、トルコ政府は歩み寄りを見せる一方、同国の軍部とトルコ・キプロス共和国政府は、キプロス島の統一に反対しているといった事情がある。

 3月22日までにギリシャ系とトルコ系のキプロス2カ国の交渉が成立しない場合には、 両者の保護国であるギリシャとトルコが介入するが、それでもなお、同月25日までに、和平が成立しない場合は、Anann 国連事務総長が調停案を示す予定である。同調停案では、両キプロスの立場を尊重し、2つの州を設け、両者が緩やかな形で統合される連邦国家の創設が提案されている。

    
 New 続編: 和平成立せず

 

(参考) NZZ

  



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