トルコとのEU加盟交渉は、2005年10月3日に開始される予定であるが(詳しくは こちら)、その準備のため、トルコを訪問していた Rehn 欧州委員(EU拡大担当)は、同国の人権保護制度の現状に懸念を示した(参照)。これは、3月8日の国際婦人デーを前に、イスタンブールで行なわれたデモ(3月6日)の取り締まりに端を発しているが、事前に許可が得られていなかったとして、警察官はデモに参加した女性や青少年ら約500人をこん棒で殴り、また、地面に踏みつけたとされている。この状況をテレビで見た
Rehn 欧州委員は、警察官による不相応に激しい暴力行為にショックを受けると共に、徹底した制度改革をアンカラ政府に要請した。
昨年12月に加盟交渉の開始が決定されてから、トルコは制度改革のテンポを緩めているとする批判も見受けられるが(アンカラに駐在する EU の Kretschmer 大使)、トルコの Gul 外相は、このような批判を排斥している。
オーストリアの日刊紙 Die Presse によると、トルコの Erdogan 首相は、確かに、地面に倒れている女性を殴りつける警官の行為は望ましくないが、テロ組織の支援者の挑発に応じたものであり、同様の取り締まりは、EU加盟国内でも行なわれているとして、自国の警官を擁護した。他方、問題の映像を再三、流したメディアを「告げ口」をしたと批判している。
|
|
|
|