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トルコ国旗トルコのEU加盟問題


 オーストリア、デンマーク、また、キプロスをのぞく、その他の加盟国首脳は、トルコとの加盟交渉の開始を支持しているが参照 こちらも 参照、国内では意見が分かれている。

 リストマーク フランス

 Chirac 大統領は、トルコとの加盟交渉を支持しているが、所属政党の UMP (保守系政党)は懐疑的で、Juppe 党首も、再三、反対の立場を表明している(その後、Sarkozy 氏が新党首に就任したが、同様にトルコのEU加盟に強く反対している)。また、Raffarin 首相も消極的である。これは、大多数の国民の考えに合致しており、あるアンケート調査によれば、国民の61%は、トルコのEU加盟に反対しているとされる参照


  こちらも 参照



New シラク大統領の立場の変化       

 当初、シラク大統領は、ドイツ首相と共に、トルコのEU加盟を積極的に支持してきたが、所属政党内の圧力や、国民の多数意見を踏まえ、態度を改めている。
 
 この点について、大統領は、まず、トルコのEU加盟について、国民投票を実施する旨を明らかにした参照

 そして近時は、加盟交渉を必ずしも加盟の実現で終了させる必要はなく、代替案を盛り込むことを提唱している参照。また、欧州(EU)憲法条約の批准に関する国民投票に悪影響が生じることをおそれ、加盟交渉の開始時期をなるべく遅らせること、さらに、新たな加盟要件や特別な交渉手続を導入する必要性を訴えるにいたっている参照

Chirac 大統領

写真提供
Audiovisual Library European Commission


(参照) Chirac 大統領の態度
  ・ 2004年12月(欧州理事会)
  ・ 2004年5月(フランス国民投票後


Die Presse v. 7. Dezember 2004 (Chirac verlangt Alternativen für Türkei)




 リストマーク ドイツ

 あるアンケート 調査によれば、ドイツ国民の57%は、トルコのEU加盟に反対しているとされる参照

リストマーク

 ドイツ国内の政治議論については こちら

特権的パートナーシップ



 リストマーク キプロス

 2004年10月11日、キプロス共和国(ギリシャ系の南キプロス)の Tassos Papadopoulos 大統領は、国内のテレビ放送において、キプロスはトルコとの加盟交渉開始を支持しないと述べた(参照 @ A)。 その理由として、1974年の南北キプロスの分断以降、トルコは自国を承認していないことを挙げている。

 なお、Papadopoulos 大統領は、キプロスのような小国にとって拒否権の発動は容易ではないことについても触れている。現在、キプロスは、マルタとルクセンブルクに次いで小規模なEU加盟国であるのに対し、トルコは、ドイツに次ぐ大国である。その他の要因として、拒否権を行使すると、今後、トルコとの交渉が悪化し、キプロス問題の解決は望めないことも挙げられる参照


リストマーク

キプロス問題については こちら
こちらも 参照


 リストマーク ギリシャ

 ギリシャの Konstantinos Stephanopoulos 大統領は、キプロス問題 が解決され、ギリシャとの関係も正常化しない限り、トルコはEUに加盟しえないとしているが、もっとも、事態の改善を期待し、トルコとの加盟交渉の開始そのものには賛成している参照





(2004年12月7日 更新)