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EUの旗 加盟国首脳  交渉開始を早々に決定 トルコの旗


 2004年12月16・17日、EU加盟国首脳はブリュッセルで会合を開き、トルコのEU加盟問題について協議することになっていたが、初日の段階で、加盟交渉の開始を決定した(詳しくは こちら。なお、最後まで反対していた首脳も、会議の前には賛成に回っていたため、首脳会議の決定は、開催前より明らかであった参照。今回の決定は、トルコの民主化を促す狙いがあるものと解される が、このような観点から、欧州委員会は交渉の開始を提案していた参照

 フランスの Chirac 大統領は、国内世論が懐疑的なことを考慮しつつも参照、トルコがすべての基準を満たし、EUに加盟 しうるようになれば、EUにとっても利益になると述べた参照

 また、ルクセンブルクの Juncker 首脳 は、確かに、世論 を尊重しなければならないが、すでに1963年の段階で、当時のEECは、トルコの加盟を想定しており、40年にわたる歴史を無視してはならないと述べた参照


 チェコの Cyril Svoboda 外相によれば、交渉は、2005年10月3日に開始される。キプロス問題 については、話し合いが始まったばかりで、結論はまだ出ていないとされるが、交渉開始の要件の一つになるとする見方が強い。また、オーストリアの Schüssel 首相 の要望に基づき、特権的パートナーシップ という代替案も議題に上ったとされるが参照、支持されることはないと考えられる。

 
 トルコ国民の大半は、今回の決定を、トルコ共和国の81年にわたる歴史の中で最も重要な出来事として捉えているとされるが参照、具体的な交渉条件はまだ決まっていない。また、加盟の実現は、早くても10年後と解され、決して平たんな道のりではない。

 トルコの Erdogan 首相は、交渉が必ずしも加盟の実現で終わる保障はないとすることに同意しているとされる参照。また、キプロス問題の解決(トルコによるキプロスの承認)にも譲歩を示しているとされる参照。スウェーデンの Persson 首相は、連合協定を締結し、キプロスを間接的に承認することが、交渉開始の要件であるとしている参照


   続編

     ・ 欧州理事会の決定
     ・ トルコのEU加盟とキプロス問題



(2004年12月17日 記)