TOP      News   Profile    Topics    EU Law  Impressum          ゼミのページ



新旧加盟国の国境沿いに住む市民へのアンケート調査



 EUの東方拡大について、かつてのEUと第3国の境界に住む人々はどのように考えているのであろうか。

 2003年夏、ドイツ・ブレーメン国際大学の社会学研究者は、この問題について調査を実施したが、6月30日、その結果が公表された。

 質問を受けたのは、この「境界」から25キロ・メートル以内の、ドイツ、ポーランド、チェコの市民 2300人であるが、調査によると、ポーランドでは80%以上、また、チェコでも73%の市民が自国のEU加盟を支持している。

 これに対し、EU加盟のリスクとして挙げられた14の選択肢のうち、最も回答が多かったのは、両国とも物価の上昇であったが、チェコでは「国の売却」(Ausverkauf des Landes)、また、ポーランドでは失業率の上昇がこれに続いた。失業率の増加は、ドイツでも深刻に受け止められているが、ドイツ人が最も脅威に感じていたのは、企業の国外移転であり、これはドイツ国内一般の世論に合致している参照。なお、3国そろって最も回答が少なかったのは、「異文化の影響の拡大」であり、これは非常に注目に値すると主催者の Klaus Boehnke 教授は捉えている。

 調査結果を総合すると、東方拡大を支持する見解は根強いが、その一方で、市民は脅威も感じていることが明らかになったと在独欧州委員会代表部と述べている。


(2004年6月30日 記)


 (参考) 在独欧州委員会代表部のサイト