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ポ ー ラ ン ド に お け る 国 民 投 票 |
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スペインと共に最後まで抵抗し、欧州憲法条約の制定を遅らせたポーランドでは、国民投票の実施日がまだ確定していない。当初、Aleksander Kwasniewski
大統領は、大統領選挙との同時実施(2005年10月)を予定していたが、現在、国内では欧州統合に好意的なムードが漂っており、これが大統領選挙にも影響を及ぼすことを恐れる野党は、国民投票の実施をできるだけ遅らせるよう要請している。少なくとも、イギリスの国民投票が終了した後に実施されるべきで、早くても2006年に行われるべきとしている。
ポーランドでは、国民投票の実施は、大統領によって決定されるが、その実施を条件に、同国は欧州憲法条約の制定に賛成した。当初はEU拡大の悪影響も指摘されていたが、実際には、高い経済成長を記録し、また、保守的で欧州統合にはむしろ懐疑的だった農民の所得も大幅に増えているため、EU懐疑論は鳴を潜めている(詳しくは
こちら)。あるアンケートによれば、約56パーセントの国民は欧州憲法に賛成し、反対派は22パーセントに過ぎないとされる。
ポーランドの Aleksander Kwasniewski 大統領は、2005年3月4日、Marek Belka 首相や議会(両院)の議長と協議した後、欧州憲法条約批准の是非を問う国民投票は、2005年9月25日に実施する予定であることを明らかにした。その日には、大統領選挙も予定されている。 |
フランス と オランダ の国民投票で憲法条約の批准が否決されたことを受け、EUは新たな危機に直面しているが、6月6日、ポーランドの Adam Rotfeld 外相は、予定通り、10月9日に国民投票を実施すると述べた。フランスとオランダの影響については、ポーランドの国民投票には拘束力がなく、議会が最終決定を下すことを指摘している。また、国民投票の成立には、投票率が50%を超える必要があるとしている。10月9日には、大統領選挙も予定されているが、実施日は、6月16・17日の
欧州理事会 終了後、Aleksander Kwasniewski 大統領によって正式に発表されるとみられている( 多数の加盟国が批准手続の一時凍結を表明しているのに対し(詳しくは こちら)、ポーランドは、予定通り、10月に国民投票を実施すると解されている(参照))。
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2005年6月21日、ポーランドのAleksander Kwasniewski 大統領は、10月に予定されていた国民投票を延期すると述べた。新たな実施日は、後任の大統領が決定するとして保留した。なお、Marek
Belka 首相は、国民投票ではなく、国会の審議によって批准を決定する選択肢にも理解を示している。
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(参照) |
Die Presse v. 18. November 2004 (Polen: Referendum
über Verfassung "so spät wie mögllich")
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欧州憲法内の誤訳問題
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