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欧州憲法


ル ク セ ン ブ ル ク 国 民、批 准 を 支 持

ルクセンブルク国旗 2005年7月10日(日)、ルクセンブルクで実施された国民投票で、欧州憲法条約の批准が可決された。賛成票は56%に達し、反対票(44%)を大きく上回った。ルクセンブルクでは投票が義務付けられているだけに、投票率は約87%と高くなった(参照)。




New 公式の投票結果は以下の通りである。

  批准賛成  56.52% (15,422,659人)
  批准反対  43.48%

  投票率    86.8%

(参照) Eng Verfassung fir Europa (ルクセンブルク政府の公式サイト)



 フランスオランダ の国民投票で、憲法条約の批准が否決されたことを受け、EU加盟国内では懐疑論が高まっていた(ルクセンブルクの状況は こちら)。そのため、先月の 欧州理事会では、検討期間の導入が決定され、多くの加盟国は批准手続を中断しているが(参照)、ルクセンブルクは、当初の予定を変更しなかった。 フランスとオランダの国民投票の後に初めて実施されることになった投票は、「瀕死」の憲法条約の運命を占うものとして、EU中の注目を集めることになったが、隣国からの朗報に対し、ドイツの Schröder 首相は賛辞を呈すると共に、この不利な状況下において、国民投票を実施したルクセンブルク政府の勇気を大きく称えている(参照)(なお、国民投票の実施は、政府ではなく、国会によって決定されている[参照])。

 また、欧州委員会の Barroso 委員長 は、これで過半数の加盟国が批准を支持したことになるため(参照)、現在の危機的状況下で、ポジティブなサインが発せられたと述べている(参照)。なお、今後、ルクセンブルクは、再び国会で審議した後に、正式に批准を決定する(New 国会の正式決定)。


 憲法条約の実質的な「死」が囁かれる中で、ルクセンブルク国民が批准を可決したことの意義は大きい。EU理事会議長の任務から解放された後、積極的に支持運動を展開してきた(参照Juncker 首相 にとっては、個人的な勝利を収めることにもなった。つまり、国民投票で批准が否決される場合には、辞任することを明らかにしていた(詳しくは こちら)。投票結果が判明した後、「憲法条約救済の立役者」は、賛成票を投じた国民に謝意を表している。また、反対票を投じた国民にも理解を示し、一国の首相として、全国民の声を代弁することに尽力すると述べる共に、56%ではなく、100%の支持率が得られるようでなければならないと語った(参照)。




リストマーク ルクセンブルク国民投票の公式結果 (ルクセンブルク政府のサイト)


2005年初夏の国民投票
 

ルクセンブルク国会、批准を支持

国民投票を直前に控えたルクセンブルク

欧州憲法条約の批准状況

憲法条約批准手続のゆくえ



(2005年7月11日 記)