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ユスティティア EUの教育・青少年政策




J.  不 服 申 立 制 度


◎ 抗 告

 抗告とは、決定や命令に対する上訴のことをいう。例えば、裁判長による訴状却下命令(民事訴訟法第137条第2項)、裁判官を除斥・忌避しないとする決定(第25条第5項)、文書提出命令(第223条)などを不服として原裁判所に申し立てることを指すが、法律で認められている場合に限り許される。そのため、例えば、除斥・忌避を理由がないとする決定については、即時抗告を申し立てることができるが(第25条第5項)、理由があるとする決定に対しては認められない(第4項)。

 裁判所の判決や中間的裁判(例えば、証拠申立却下決定)に不服がある時は、上級審に上訴しうるが、@ この手続で審査されない決定・命令(訴状却下命令、文書提出命令など) や、A 本案との関係性が薄く、かつ、手続を安定させるには、迅速に解決することが合理的と解される裁判(移送の決定、裁判官の除斥・忌避に関する決定など)については、独自の上訴を認めることが適切であるため、設けられている。

 なお、抗告には、@ 特に迅速な確定が必要とされるため、抗告期間が定められている 即時抗告 と、A 同期間が設けられていない 通常抗告 がある。即時抗告は、裁判の告知を受けてから1週間以内に行わなければならない(第332条)。

 抗告は、原裁判所に抗告状を提出して行う。抗告は不適法であり、補正することはできないことが明らかなとき、同裁判所は決定で抗告を却下する。他方、抗告が適法であれば、原裁判所によって審査される。また、抗告に理由があると認めるとき、原裁判所は構成しんかければならない(第333条)。これを再度の考案という。




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